メーカーの論理

僕はとあるメーカーに勤めるしがないサラリーマンである。会社で働いていると、「どうしてもっとうまいこと組織運営ができないんだろうか?」とつくづく思う。「もっとこうしたら良いのに」とか、「ここはこう変えたほうが明かに効率的じゃないか?」とか、日々、思うことが多々ある。会社とは、なぜこうもおかしなことがはびこっているんだろうか?

そんなことを思いつつ、今日は「メーカーの論理」というテーマについて考えてみたい。

先日、営業マンと一緒に会社の色んな商品を、ある企業の設計担当部の人のところに営業しに行った。相手の人はかなり優秀なビジネスマンのようで、こちらの提案に対して、良し悪しや注文点などを端的に、かつ、率直に提示してくれた。こちらとしても、しっかりと自社の商品の長所と、その一方で足りない部分などを話をしながら、かなり有意義な会合となった。その際、その人から、さまざまな有益な注文をもらった。「この商品については、顧客はこういう用途で使うので、この機能は削って、逆にこういった機能をつけて、もっとシンプルにしたらウケると思いますよ」とか、「この商品については、現状ではデザイン性を重視したものはどのメーカーも出していないけど、今後は、そういったニーズは高まるので、ぜひ、そういったものを開発してくださいよ」とか。

顧客の声を反映させた商品開発を行なうためには、こういった情報は大切にしていかないと!と思い、会社に帰って、その商品の担当部署にこの大事な情報を教えてあげようと思い、さっそく電話で連絡をした。「もしもし、営業担当のものなんですけど、お客さんからこの商品について、こういった要望を聞いたんですけど…」と話をすると、意外にも、あまりにもそっけなく、「そうですか」と。「今後の参考にさせていただきますので、ありがとうございます」とさっさと電話を切られてしまった…。どうやら、こういった電話は、先方にはあまりうれしいものではなかったらしい。明かに、「めんどくさいことを言いやがって」という風であった。

僕はつくづく「メーカーの論理」というものを感じた。要は、メーカーというのは、作ったものを売るのが先決なのである。いかに作ってしまったものを、売りさばいてしまうか。それがメーカーにとって最も大切なことなのである。そこに、「顧客にとってより良いもの」という意識は希薄である。もちろん、「作ったものをきちんと売る」という考えはビジネス行なっていく上で、当然の考えで、慈善事業ではないのだから、企業が儲かるために最善の選択をする。そして、その最善の選択が今ある商品をとにかく顧客に売る。という考えもわからなくはない。

しかし、長期的な視点になって考えれば、上記のようなやり方が破綻してしまうのは明らかだ。競合間の競争は激化し、市場には似たような商品があふれ、商品のライフサイクルは短くなり…と、作り手の立場はますます弱まり、逆に買い手の立場は高まるばかりである。これからの時代、顧客にそっぽを向かれた企業が生き残っていくことは、これまで以上に厳しくなってくる。だからこそ、今後はすばやいマーケティングなり、それにもとづいたすばやい商品開発なりが重要になってくるのだと思う。

「メーカーの論理」とは、そんな市場の流れとは相反する姿勢だと思いながら、しがないサラリーマンは今日もせっせと今ある商品を営業しつづける(笑)。
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by fri2005 | 2005-03-30 00:28 | 新卒君の悩み
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