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新卒のキャリア選択

大学を卒業して新しく会社に入るときに、どうしても「今」と「将来」を考えてしまうと思う。「今」というのは、「今ある興味の延長上」で会社を選ぶこと、「将来」というのは、「将来つぶしが利く」という判断基準じゃないだろうか。

例えば、「今」でいえば、大学時代にアパレルの販売をやっていて楽しかったから、会社に入っても販売員をやりたい、という意見をよく聞いた。僕の場合は、学生時代に海外にちょっと行っていたことがあったので、どうしても「商社」かな、なんて思っていた。周りの人に「海外は商社じゃなくてもメーカーでもいっているじゃん」とか「商社は国内の仕事のほうが多いんだよ」と言われたけど、「海外」といえば「商社」しかないじゃない。誰がなんと言っても、商社なんです。今思えば、よくこんなアホな動機で入社できたなと思う。

もう一つは「将来」 なんとなく、一つの会社にずっと居続けるような気がしない。特に僕は出世と縁がなさそうなので、課長になって部長になって役員になれる、という気がしなかった。だから、最後は学校の先生になるか、地元の滋賀県に戻って奥さんと学習塾でもするかな、ぐらいに思っていた。会社に入っていても、糸だとか、ニットの編み方とか、僕はアパレルをやっていたんだけど、本業で必要なことはまったく勉強しなかった。そんなことやっていたら、うちの会社がつぶれたら他に行くところなくなるじゃん、なんておそれていたら、本当に会社がつぶれてしまったのだ。

商社を選んだのは、他にも理由があって、なんとなくつぶしが利きそうだったから。余談だけど、僕の「なんとなく」はよく当たる。実際に商社で、僕は国内の仕入れ、販売、与信管理、在庫管理、物流管理、さらに、輸入、輸出、三国間をすべて経験した。よく商社出身の人に、僕は輸出だけやっていました、という人がいるけど、僕は全部経験している。この経験がとても役に立っていて、今僕は経営コンサルタントをやっているんだけど、業務の知識で、社内でもクライアントでも負けたことがない。

結果的に僕の場合は、なんとか食いつないでこれたんだけど、一つだけ学生のみなさんに言っておきたいことがあります。それは、「嫌なことは絶対やるな」だ。僕の場合は、某大手のコンサルティング会社でシステム開発の仕事を「強制的」にやらされ、体育会の僕も「強制的」に我慢して2年もやっていましたが、元々経営コンサルタントとして入ったのに、システム開発なんて好きじゃないし、得意でもないし、興味もない。そんなことを「強制的」にやっても、会社にとっても、お客さんにとっても、自分にとってもいいわけない。本当に、さっさと転職しちゃえばよかった。案の定、最近システム会社に買収され、システム会社になったようだけど、本当に無駄な2年を過ごしたと思う。

例えば、僕の場合は圧倒的に「業務知識」に強みを持っていて、今は戦略系コンサルティングの仕事をしているけど、戦略の仕事なんてやったこともないし、習ったこともない。だけど、うまくいっているし、実績も出しているし、自信もある。ようは、好きだし、分かるし、興味がある、ということなんだと思う。

まとめると、新卒のキャリア選択は、今と将来をきっちり考え、その二つの整合が早い段階で、とれればとれるほど、効率的な選択ができる、ということ。とにかく、僕みたいに、ふらふら、やりたくもない編み物の知識を覚え込まされたり、好きでもないR/3のパラメータを切らされたり、そういうことは絶対やらないでもらいたい。
by fri2005 | 2004-12-25 12:27 | Career
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